Japanese
English
特集 消化器の“前癌病変”と“ハイリスク病変”
Helicobacter pyloi感染と胃癌および背景胃粘膜との関連
Helicobacter pylori infection and gastric cancer-especially relation to the background mucosa of gastric cancer
上村 直実
1
,
向井 俊一
1
,
岡本 志朗
1
,
山口 修司
1
,
三好 信和
2
,
中井 隼雄
1
,
佐々木 なおみ
3
,
谷山 清己
1
Naomi UEMURA
1
1呉共済病院消化器科
2呉共済病院外科
3呉共済病院臨床病理科
キーワード:
ヘリコバクターピロリ
,
胃癌
,
慢性萎縮性胃炎
Keyword:
ヘリコバクターピロリ
,
胃癌
,
慢性萎縮性胃炎
pp.161-168
発行日 1997年2月20日
Published Date 1997/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902636
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ヒト胃粘膜では,Helicobacter pylori(H.pylori)感染により組織学的胃炎が惹起され,ひいては分化型胃癌の前癌病変または背景である腸上皮化生を伴う慢性萎縮性胃炎が生ずる.この胃粘膜萎縮の進行速度に対して局所の胃酸分泌能が大きく影響するものと思われた.また内視鏡的切除後の残存胃粘膜に対する除菌治療の結果,腸上皮化生が可逆的であり,分化型胃癌も初期の段階においてはH.pylori除菌により増殖が抑制される可能性も示唆された.今後,H pyloriと胃癌や前癌病変との関連については,臨床的な観察を分予生物学的に解明することや動物実験による新たな展開が期待されている.
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