Japanese
English
特集 消化器の“前癌病変”と“ハイリスク病変”
Barrett食道
Barrett's esophagus
西巻 正
1
,
鈴木 力
1
,
藍沢 喜久雄
1
,
鈴木 聡
1
,
大日方 一夫
1
,
武者 信行
1
,
桑原 史郎
1
,
畠山 勝義
1
Tadashi NISHIMAKI
1
1新潟大学医学部第1外科
キーワード:
Barrett食道
,
食道腺癌
,
前癌病変
Keyword:
Barrett食道
,
食道腺癌
,
前癌病変
pp.155-160
発行日 1997年2月20日
Published Date 1997/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902635
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Barrett食道は食道腺癌の前癌病変でmetaplasia(腸型上皮)→dysplasia→carcinoma sequenceを経由して癌化すると考えられている.Dysplasiaは良性腫瘍性病変であるがhigh-grade dysplasiaはBarrett食道の悪性化を示唆する重要な病変である.最近,H-ras, p53,APC遺伝子異常がBarrett食道癌化の初期段階に生ずることが明らかにされ,Barrett食道悪性化の有用なマーカーとなる可能性がある.またBarrett上皮をレーザー焼灼し同時に制酸剤で胃液分泌を抑制すると,本来の食道上皮である扁平上皮が再生する場合があり新しい治療法として注目されている.High-grade dysplasiaに食道切除が必要か否かはまだコンセンサスが得られておらず今後の検討が必要である.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.