私の工夫—手術・処置・手順・26
結腸吻合における線状吻合器を用いた機能的端々吻合法
水谷 伸
1
,
角村 純一
1
,
三木 康彰
1
Shin MIZUTANI
1
1社会保険紀南綜合病院外科
pp.1452
発行日 1996年11月20日
Published Date 1996/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902573
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消化器外科領域においては,消化管吻合,とくに結腸吻合における自動吻合器の普及は目覚ましく,その安全性は次第に高まりつつあるが,いまなお吻合法の安全性や確実性の追求が課題である.われわれは,結腸結腸吻合あるいは結腸小腸吻合をより安全確実かつ迅速に行う目的で,自動線状吻合器を用いた機能的端々吻合法を施行してきたのでその手術手技と有用性について紹介する.
吻合に使う機械は,Ethicon社のPLC75とUS Surgical社のGIA90である.吻合法の実際は,まず腸管を切離予定線で切断後,吻合する近位側,遠位側の腸管を,腸間膜の反対側が合うように持ち上げ,それぞれの切断面から線状吻合器(Eth-icon社のPLC75)のフォークを挿入する.次に腸間膜反対側の結腸紐上にて自動吻合器をファイヤーし,これにより腸管どうしの側々吻合が完成する(図1).その後吻合器を挿入した断端から腸管内腔を観察する.側々吻合の完成,吻合口の大きさ,および吻合線からの出血のないことを直視下に観察後,吻合器を挿入した断端を,再度線状吻合器(US Surgical社のGIA90)にてファイヤーして閉鎖し吻合は完了する(図2).
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