私の工夫—手術・処置・手順
口径差がある回腸結腸の端々吻合
安達 洋祐
1
,
安田 一弘
1
,
垣迫 健二
1
,
北野 正剛
1
Yosuke ADACHI
1
1大分医科大学第1外科
pp.77
発行日 2002年1月20日
Published Date 2002/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904753
- 有料閲覧
- 文献概要
回盲部切除や右側結腸切除を行ったあとの再建では,回腸と結腸を端々吻合する1,2).少々の口径差があっても,結節縫合を両端→中間→その中間→……と均等に運針していけば,通常はきれいに端々吻合ができる.また回腸を斜めに切断し,口径を大きくしてから結腸と吻合する方法もある1,2).ところが,回腸と結腸の口径差が著しい場合は,このような工夫をしても端々吻合は困難である.回腸と結腸を端側で吻合する方法もあるが3),ここでは簡便で容易な端々吻合を紹介する.
術式を図に示す.回腸は鉗子で挟んで切断してもよいが,結腸は自動縫合器で切断しておく.結腸断端を回腸断端に並べ,回腸の口径と同じ大きさの吻合口になるように結腸断端の縫合閉鎖部を切除する.回腸と結腸は同じ口径なので,連続縫合でも結節縫合でも通常の端々吻合が容易にできる.漿膜筋層縫合が終わったら,結腸断端閉鎖部の余った部分を無鉤鑷子かモスキート鉗子で内腔に押し込み,漿膜筋層縫合を軽く2針かけておく.以上の方法で行うとだれがやってもきれいに仕上がる回腸結腸端々吻合が完成する.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.