特集 縫合・吻合法のバイブル
Ⅱ.組織別の縫合・吻合法
自動吻合器による血管吻合
吉村 陽子
1
Yohko YOSHIMURA
1
1藤田保健衛生大学医学部形成外科
pp.67-71
発行日 1998年10月30日
Published Date 1998/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903334
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はじめに
微小血管吻合による血管柄付き遊離組織移植は1970年代の初めに成功し,以来皮膚への血行形態の研究の進展とともに急速に普及してきた.近年では悪性腫瘍切除後の欠損の再建などに標準的な手技として用いられている.この手術の成功のためには血管吻合の成功が絶対条件であるが,顕微鏡下に数mmの血管を吻合するにはそれなりの技術を要する.腫瘍切除という大手術の後にさらに時間のかかる血管吻合を行うことは患者,術者双方にとって大きな負担であり,またその成否が術者の技量により左右される面が少なくない.そのため,微小血管吻合を器械により自動化し,短時間に均一な結果が得られるようにしたいという意図から自動吻合器の開発が行われてきた.しかし現在までに商品化されているものは1種類しかない.ここでは,現在臨床に使用されている微小血管吻合器の使用法について紹介する.
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