特集 術前ワークアップマニュアル—入院から手術当日までの患者管理
Ⅲ.注意すべき状態の術前患者管理
止血機能障害の患者
山下 裕一
1
1福岡大学医学部第2外科
pp.411-412
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902539
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外科治療の対象となる患者は,出血という危険性を考慮して術前検索を行う必要がある.止血機能障害を有する患者は,血小板,凝固因子,線溶系因子または血管に異常を有し,それらが単独または複合して出血傾向として術中・術後に外科治療が困難になる危険性を有している.出血傾向の原因となる疾患は,血小板減少症をきたす各疾患,遺伝性凝固因子欠乏症,重症感染症や癌疾患に伴うDICなどの病態などが挙げられる.したがって,顕性または不顕性の出血傾向を有する患者を術前に見落としなくスクリーニングし,術前にその状態を改善させ,術中に相応の対処ができるよう準備し手術に臨めるようにしなければならない.
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