特集 術前ワークアップマニュアル—入院から手術当日までの患者管理
Ⅰ.術式別:術前患者管理の実際
10.血管系の手術
急性腸間膜動脈閉塞症手術
鈴木 修
1
,
神谷 喜八郎
1
,
小島 淳夫
1
,
石本 忠雄
1
,
伊従 敬二
1
,
小林 正洋
1
,
進藤 俊哉
1
,
多田 祐輔
1
1山梨医科大学第2外科
pp.215-219
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902479
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急性上腸間膜動脈(SMA)閉塞症は突発的に発症し早期に広範な腸管梗塞を引き起こす疾患であり,予後は不良で,救命できたとしても術後のQOLは良好でない.腸管壊死に陥る前に,SMA血行再建のみで救命することが望ましい.このため早期診断と早期治療が広範囲小腸切除を避けるための唯一の手段である.しかるに本症では他の急性腹症との鑑別が難しく,術前管理としては確定診断までの時間経過がきわめて重要である.臨床症状から本症が疑われた場合,従来は血管造影で確定診断を得たが,最近ではこれを省略しCTで早期に確定診断に至る症例が増えている.確定診断後は十分な補液,抗生剤投与の下,一刻も早くSMA血行再建を目指すべきである.
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