Japanese
English
臨床研究
標準的血管外科手技の組合せによる弓部大動脈瘤置換手術—人工心肺を用いない単純術式
Surgical management of non-dissecting aneurysm of aortic arch without use of cardiopulmonary bypass
多田 祐輔
1
,
神谷 喜八郎
1
,
進藤 俊哉
1
,
小林 正洋
1
,
石本 忠雄
1
,
伊従 敬二
1
,
宮田 哲郎
2
,
高山 豊
3
Yusuke TADA
1
1山梨医科大学第2外科
2東京大学血管外科
3関東中央病院外科
キーワード:
真性弓部大動脈瘤
,
一時的体外バイパス法
,
超低体温法
,
体外循環下手術
,
標準的血管外科手技
Keyword:
真性弓部大動脈瘤
,
一時的体外バイパス法
,
超低体温法
,
体外循環下手術
,
標準的血管外科手技
pp.1359-1364
発行日 1999年10月20日
Published Date 1999/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903753
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はじめに
弓部大動脈瘤手術は超低体温併用体外循環下に脳保護対策として選択的あるいは逆行性の脳灌流法を加えて行うのが常識となっている.したがって内外ともに体外循環法が不可欠な手術とされているために心臓大血管外科に分類され,一般の血管外科医がこれを取り扱うことはない.しかしながら高齢者に多い真性弓部大動脈瘤の手術は依然として在院死亡率,脳合併症ともに高く,体外循環下における脳保護対策が本手術の主要な研究課題となっている.われわれは人工心肺を用いずに弓部大動脈瘤の処理が出来れば高齢者にはより低侵襲であるとの観点から,1985年から標準的末梢血管外科手技を組み合わせて,人工心肺を使用せずに,また無ヘパリンか,使用しても少量(2,000〜3,000単位)使用下に大動脈解離を除く弓部大動脈瘤手術を一貫して行い,脳合併症,在院死亡ともに人工心肺下手術に劣らない成績を得ているのでその術式の詳細を報告する.
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