特集 薬物療法マニュアル
Ⅲ.周術期の薬物療法
2.緊急手術
急性上腸間膜動脈閉塞症
壬生 隆一
1
,
田中 雅夫
1
Ryuichi MIBU
1
1九州大学医学部第1外科
pp.190-191
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903822
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基本的な事項
1.原因
急性上腸間膜動脈閉塞症は上腸間膜動脈(SMA)に血栓や塞栓による急性閉塞をきたし,血流の低下または途絶のため広範に虚血による腸管壊死をきたす疾患である.
40〜50%が塞栓による1).塞栓物質は心房細動などによる左心系の壁在血栓である.一方,血栓症はSMAの基部の粥状硬化部に発生する.非閉塞性腸管虚血も本症の20〜30%を占めるが,これは血管収縮性薬剤の投与,心不全,末梢循環血液量減少,腸間膜動脈血管の攣縮などによる血流低下と血流回復後の再灌流障害によって引き起こされる.
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