特集 術前ワークアップマニュアル—入院から手術当日までの患者管理
Ⅰ.術式別:術前患者管理の実際
10.血管系の手術
腹部大動脈瘤手術
大城 秀巳
1
,
重松 宏
1
1東京大学医学部第1外科
pp.204-209
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902477
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腹部大動脈瘤手術では,高齢者を対象とすることが多く,加齢に伴う重要臓器の病態や併存する悪性疾患などに留意し,十分な術前全身検索を行い治療することが必要である.とくに,心筋梗塞は重篤な術後合併症であり,心機能の精査および治療が術前管理の重要なポイントの一つである.冠動脈狭窄が高度な場合は,PTCAやCABGを腹部大動脈瘤手術に先行して施行しなければならない場合がある.その他,腎,肺,脳などについても機能障害の有無やその程度を十分に把握し,予備力の少ない高齢者に対し,きめ細かな術前管理を行うことが必要である.
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