特集 術前ワークアップマニュアル—入院から手術当日までの患者管理
Ⅰ.術式別:術前患者管理の実際
5.胃・十二指腸手術
迷走神経切離術
柏木 秀幸
1
,
渡辺 正光
1
,
青木 照明
1
1東京慈恵会医科大学外科学講座第2
pp.99-104
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902456
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迷走神経切離術(迷切術)は,迷切術単独術式と迷切術兼幽門洞切除術に分けられ,選択的近位迷走神経切離術と選択的胃迷走神経切離術兼幽門洞切除術が用いられている.前者は機能温存に,後者は潰瘍再発予防に重きが置かれている.これらの術式の対象は,主に再発性,薬物治療抵抗性の十二指腸潰瘍である.術前管理として重要なことは,個々の患者の病態を踏まえ,迷切術を含めた外科治療の効果を予測することであり,そのためには術前の胃液検査が必要となる.対象となる疾患の病態に対する外科治療の効果,そして外科治療自体のもたらす術後障害(後遺症)に対する認識は,患者に対するインフォームドコンセントの観点からも重要である.
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