カラーグラフ 内視鏡下外科手術の最前線・10
胃・十二指腸
Hill法による腹腔鏡下迷走神経切離術
金平 永二
1
,
森 明弘
2
,
大村 健二
1
,
渡辺 洋宇
1
Eiji KANEHIRA
1
1金沢大学医学部第1外科
2南ケ丘病院外科
pp.1251-1256
発行日 1995年10月20日
Published Date 1995/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901984
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はじめに
開腹手術を受け,美容障害や疼痛,一定期間の社会活動制限という犠牲を強いられたにもかかわらず再発率が低くないという事実1)が,慢性十二指腸潰瘍に対する迷走神経切離術を消極的にしてきた.さらには,H2ブロッカーやPPIに代表される強力な抗潰瘍薬の出現はこの傾向に拍車をかけた.一方では,腹腔鏡下手術の技術を応用し,開腹手術に伴うデメリットを軽減し,外科手術に取り組む動きもみられる.われわれは,1994年7月15日から現在までに16例の慢性十二指腸潰瘍症例に対して,腹腔鏡下にHill法(後幹切離+前枝選択的近位迷走神経切離:図1)迷走神経切離術を行った.本稿では,われわれが行っているHill法による腹腔鏡下迷走神経切離術の術式と,現在までの臨床成績を呈示し考察を加える.
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