特集 術前ワークアップマニュアル—入院から手術当日までの患者管理
Ⅰ.術式別:術前患者管理の実際
5.胃・十二指腸手術
幽門側胃切除術
沢井 清司
1
,
高橋 俊雄
1
1京都府立医科大学第1外科
pp.84-88
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902453
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幽門側胃切除術の適応は,胃中部・胃下部の胃癌である.ただし,胃中部のみに限局する早期胃癌は幽門保存胃切除術の適応となる.胃透視と胃内視鏡で癌の深達度・深達度浸潤範囲を診断し,CT検査,超音波検査をルーチンに行う.早期胃癌には超音波内視鏡,stage IVが疑われる例には血管造影を追加する.80歳以上,術前併存疾患を有する症例は,術後合併症の発生頻度が高いので注意する必要がある.幽門狭窄・出血例に対しては,中心静脈栄養・輪血・エリスロポエチンの投与などを行う.患者の不安を取り除くためには,正確な情報を与え,無駄な検査を繰り返さずに,早く手術を行う.
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