特集 術前ワークアップマニュアル—入院から手術当日までの患者管理
Ⅰ.術式別:術前患者管理の実際
5.胃・十二指腸手術
胃全摘術
帆北 修一
1
,
夏越 祥次
1
,
有留 邦明
1
,
白尾 一定
1
,
岩重 弘文
1
,
愛甲 孝
1
1鹿児島大学医学部第1外科
pp.89-93
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902454
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胃全摘術の適応となる症例では病状の進んだものが多く,開胸による食道切除,胃隣接臓器の合併切除,広範なリンパ節郭清が行われることがある.病変の進行度診断は,近年の画像診断の向上によりかなり正確に診断できるようになったが,適切な手術を行うための必要十分な検査を無理のない予定で行う.さらに,高齢者の増加により術前の全身状態の把握はきわめて重要となり,併存疾患を術前に診断しておくことは術後合併症の発生予防ならびに早期診断に不可欠となる.インフォームドコンセントについては,悪性疾患の告知の問題を含め病状・全身状態を十分に説明し,患者および家族との信頼関係を構築しておく必要がある.
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