特集 肛門疾患診療のポイント—エキスパート17人のノウハウ
痔瘻診察のテクニック
梅枝 覚
1
Satoru UMEGAE
1
1四日市社会保険病院外科
pp.557-562
発行日 1996年5月20日
Published Date 1996/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902282
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痔瘻の診察をするうえで最も大切なことは,肛門周囲の解剖を理解したうえで,瘻管の走行,視診,触診,経肛門的超音波検査などにより,いかに立体的にイメージできうるかにかかっている.すなわち,原発口をはじめとして,原発巣,瘻管が肛門周囲の括約筋などの組織とどのような位置関係であるのかを理解することが大切である.立体的に理解してはじめて痔瘻の正しい診断が可能となり,的確な治療を選択できるのである.単純痔瘻のなかでも低位筋間痔瘻は触診・視診でほとんどの場合診断がつくが,肛門周囲膿瘍,高位痔瘻の場合は誰もが視診・触診で簡単に診断できるものではない.そのときは迷わず超音波検査(経皮的な超音波プローベでも良いが,できれば経肛門的または大腸内視鏡超音波検査)を行ったほうがよい.
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