Japanese
English
結核
痔瘻
Fistula Ani
石橋 幸雄
1
Yukio ISHIBASHI
1
1東京大學福田外科教室
1Medical Dept., Tokyo Univ.
pp.52-56
発行日 1950年1月20日
Published Date 1950/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200586
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痔瘻が結核症と言う病気に対して如何なる地位にあるかと言う問題は考え方によつては相当困難なものであります. 事実此の問題に関する諸氏の報告は極めて区々でありまして其の結核率を或は10%と言い或は60%と算しどうも未だ定説がありません. 又臨床上痔瘻の治癒率の高率である故を以て痔瘻の結核性を全面的に否定している人もあるようであります. 斯く諸説の分れる所以を考えて見ますと勿論檢索方法,材科等の相違が挙げられますが,主因は痔瘻の病理組織学的意義が充分に闡明されておらない点にあると思われるのであります. 私が從來やつて参りました痔瘻症の研究は新しい見地から痔瘻の組織像を見直したものでありまして,茲に其の所見を基礎としまして,「痔瘻と結核との関係」,「痔瘻の発病機轉」の二項目に就て私見を述べて見たいと思います.
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