増刊号 術前画像の読み解きガイド—的確な術式選択と解剖把握のために
Ⅲ 小腸・大腸
良性疾患
痔瘻
三浦 康之
1
,
栗原 聰元
1
,
吉野 優
1
,
吉野 翔
1
,
吉田 公彦
1
,
甲田 貴丸
1
,
長嶋 康雄
1
,
鏡 哲
1
,
金子 奉暁
1
,
牛込 充則
1
,
船橋 公彦
1
Yasuyuki MIURA
1
1東邦大学医療センター大森病院消化器センター外科
キーワード:
痔瘻
,
経肛門的超音波検査
,
MRI
Keyword:
痔瘻
,
経肛門的超音波検査
,
MRI
pp.168-177
発行日 2022年10月22日
Published Date 2022/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213904
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痔瘻は,痔核・裂肛と並ぶ肛門疾患のcommon diseaseである.その発生頻度は,「肛門疾患・直腸脱診療ガイドライン2020年版」によると,痔瘻の有病率は欧米では100,000人あたり5.6〜20.8人で,年齢は男女とも30〜40歳代と若年者に好発するとされている1).治療は原則外科的治療となる.外科的治療のポイントは,原発巣と瘻管の処理にあり,術式には開放術,括約筋温存術,seton法に大別される.術式の選択にあたっては,術前に原発巣の位置と瘻管の走行の確認が重要であり,特に歯状線より高位の痔瘻や坐骨直腸窩痔瘻や骨盤直腸窩痔瘻の深部痔瘻では,診察所見のみでは正確な診断が困難な場合が多く,画像検査として経肛門的超音波検査およびMRI検査が有用となる.
本稿では,当科で画像検査として実施している経肛門的超音波検査,MRI検査と術式について解説する.
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