私の工夫—手術・処置・手順・17
臍上部弧状切開による幽門筋切開術
浜田 吉則
1
,
日置 紘士郎
1
Yoshinori HAMADA
1
,
Koshiro HIOKI
1
1関西医科大学第2外科
pp.73
発行日 1996年1月20日
Published Date 1996/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902190
- 有料閲覧
- 文献概要
小児外科領域で比較的頻度の高い肥厚性幽門狭窄症(以下本症)の標準術式は,右上腹部皮膚切開による幽門筋切開術(Ramstedt's pyloromyotomy)である.しかるに目立たない手術創を目的として,1986年Tan and Bianchiはcircumum-bilical incisionによる幽門筋切開術を報告した.最近われわれは本症に対し,さらに改変を加えた臍上部弧状切開による幽門筋切開術(以下本法)を行っているので,その手術手技について紹介する.
〈術式〉患児を全麻下に仰臥位とし,温めたイソジン液で臍を十分に消毒する.臍上部に半周のなだらかな皮膚切開を置く(図1).この際助手に皮膚の左右に緊張をかけさせて,できるだけ臍に接して尖刃刀を用いて切開する.皮下を頭側に向かって充分剥離し,筋膜を白線に沿って臍上正中で2.5〜3cm切開する.腹膜は肝円索の右側で縦に切開する.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.