手術手技
弧状切開法による二期的深部痔瘻手術
石山 元太郎
1
,
佐藤 綾
1
,
秋月 恵美
1
,
鈴木 崇史
1
,
西尾 昭彦
1
,
石山 勇司
1
1藻友会 札幌いしやま病院
キーワード:
複雑痔瘻
,
弧状切開
,
二期的手術
Keyword:
複雑痔瘻
,
弧状切開
,
二期的手術
pp.1325-1330
発行日 2025年7月15日
Published Date 2025/7/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004556
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
隅越分類におけるⅢ型,Ⅳ型のいわゆる深部痔瘻手術では,機能温存と根治性を天秤にかけ,両者のバランスを考えた治療が必要となる。すなわち,肛門機能を極力温存しながらいかに痔瘻組織を切除または開放していくかが重要となる。この相反する2つの事象を両立させる目的で行っている方法が弧状切開法による二期的手術である。肛門後方での弧状切開による良好な視野のもと痔瘻組織を可及的に切除するが,一期的に原発口から原発巣をも開放してしまうと肛門括約筋が大きく離開して直腸の前方移動を起こす可能性があるため1),初回手術では1次瘻管にsetonを留置して手術を終える。数週間して創治癒が進み,周辺部組織が固定したあとに同部位をlay openすることにより,括約筋の離開を防ぎ,肛門機能を極力温存することが可能となる。

Copyright © 2025, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.