臨床外科交見室
多変量解析の不思議
佐藤 錬一郎
1
1秋田組合総合病院外科
pp.1604
発行日 1995年12月20日
Published Date 1995/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902162
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60歳近くなってからパソコンに手を染め,図表,生存率曲線,Kaplan-Meier,有意差検定と進んでいくうちに,雑誌のmultivariate analysisを用いた論文が目につくようになった.そこで私もHARUBAU−4のソフトを購入し,何とか使いこなせるようになったところで,当院の外科における1984〜1988年の5年間の進行胃癌治癒切除例62例の予後に関するデータを入力してみた.
変数として採用したのはそのうちまず11項目(年齢,性別,腫瘤占居部位,腫瘤サイズ,肉眼型,組織型,深達度,転移リンパ節数,リンパ節転移レベル,胃切除範囲,リンパ節郭清レベル)で,すべて離散変数とし,転移リンパ節数では3個までと4個以上とに分けた.比例ハザードモデルを用いて算出した結果では,上記11項目のうち予後に関係ありと出たのは性別(95%信頼区間0.055〜0.667,99%信頼区間0.037〜0.987)と転移リンパ節数(95%信頼区間1.590〜24.163,99%信頼区間1.037〜37.056)であった.
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