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特集 メチル水銀中毒症研究の最近の進歩
多変量解析による水俣病の診断
Multivariant analysis or Minamata disease
井形 昭弘
1
,
浜田 陸三
1
,
柳井 晴夫
2
Akihiro IGATA
1
,
Rikuzo HAMADA
1
,
Haruo YANAI
2
1鹿児島大学医学部第三内科学教室
2東京大学医学部保健学科疫学教室
1The 3rd Dept. of Internal Medicine, Kagoshima University
2Dept. of Epidemiology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.890-900
発行日 1974年10月10日
Published Date 1974/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903669
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I.はじめに
わが国の経済発展に伴い,いわゆる公害による環境汚染とその結果としての健康被害が大きな問題として医学的にも社会的にも注目されるようになった。
水俣病は水俣地方で昭和28,9年頃より発生し(昭和41年には新潟でもその発生が指摘された)熊本大学医学部を中心とする研究班によってこれが工場廃水によるメチル水銀の中毒であることは,かなり早期から判明していたが,その規模の大きいことや病像の多彩なことなどから現在なおその実態は完全に明らかにされたとはいえず,現在行政的に認定された患者784名に対し,なお約2,000名が認定申請中である。
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