特集 術後1週間の患者管理
Ⅲ.注意すべき状態の患者管理
閉塞性黄疸患者
大内 清昭
1
,
神山 泰彦
1
,
角川 陽一郎
1
,
三国 潤一
1
1宮城県立がんセンター外科
pp.370-371
発行日 1995年10月30日
Published Date 1995/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902097
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術前のリスク評価
閉塞性黄疸は胆道閉塞による胆汁うっ滞という単純な機序によるが,肝のみならず腎,胃粘膜,血液凝固能など多臓器障害の準備状態にあるといっても過言ではない重篤な病態である.血清総ビリルビン値が10mg/dl以上の高度黄疸例では胆道ドレナージによる減黄をはかるべきであり,それにより肝を中心とした各種臓器機能の改善が期待される.一般的には胆道ドレナージ施行後4週間前後に根治手術が予定されることが多く,その間に各臓器機能の詳細な評価が必要とされる.
また,手術侵襲の大きさが異なるため,各種画像診断法を用いての良性または悪性閉塞性黄疸の鑑別,後者では胆管閉塞部位と範囲,脈管を含む周囲臓器への浸潤の有無・程度の判定が大切である.胆管の閉塞期間が長期に及ぶものは肝機能が不良なことが多いため,患者の病歴の詳細な聴取も大切である.
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