増刊号 これで万全!緊急を要するエコー所見
1章 腹部エコー
閉塞性黄疸
岩下 和広
1
,
岡庭 信司
2
1飯田市立病院放射線技術科
2飯田市立病院消化器内科
pp.356-360
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202319
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疾患の概要
黄疸はビリルビンが血中に増加し,全身の皮膚や粘膜が黄色に染色された病態であり,閉塞性黄疸は胆管が閉塞することにより生じる黄疸である.閉塞性黄疸をきたす疾患では胆管結石が最も頻度が多いが,炎症性疾患や胆道癌や膵臓癌といった悪性疾患まで多岐にわたる(表1).
褐色尿や皮膚の黄染が発見契機となることが多いが,結石や腫瘍による痛み,胆管炎による発熱もある.自覚症状が全くなく,他疾患の検査目的で施行した血液検査の異常で指摘されることもある.閉塞性黄疸に感染が加わると,急性胆管炎や急性化膿性胆管炎から敗血症に至るため,迅速な診断,治療が必要である.
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