特集 術後1週間の患者管理
Ⅰ.術式別:術後1週間の患者管理
11.ヘルニア手術
腹壁瘢痕ヘルニア手術
安藤 幸史
1
,
古田 凱亮
1
,
磯部 潔
1
,
宮田 潤一
1
,
森 俊治
1
,
西海 孝男
1
,
宮田 誠一
1
,
諏訪 大八郎
1
1静岡赤十字病院外科
pp.235-239
発行日 1995年10月30日
Published Date 1995/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902054
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発生後比較的短い期間の小さな腹壁瘢痕ヘルニアの術後管理は,術後1〜2日より食事・歩行開始とし創感染に注意する.発生後長く放置された腹壁瘢痕ヘルニアは,ヘルニア間も大きく腸管の通過障害を伴っている場合もある.また,巨大ヘルニアではメッシュを使用する手術も必要である.剥離面が大きいので,皮下ドレーンを挿入する場合は持続吸引ドレーンを置き早期(術後2〜4日)に抜去し,創感染に対しては抗生物質の使用などにいっそうの注意を払う.創の緊張が強い場合には,semireclining positionとし疼痛緩和をはかる.術後2〜3日より食事・歩行開始とする.また,subileus状態が続いていた患者では,腸管(小腸)切除または剥離術が行われることもあり,この場合は腸手術後と同じ術後処置を行い,食事も約1週間後とする.
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