特集 術後1週間の患者管理
Ⅰ.術式別:術後1週間の患者管理
12.そのほかの手術
脾摘出術
卜部 元道
1
,
溝渕 昇
1
1順天堂大学医学部第1外科
pp.240-244
発行日 1995年10月30日
Published Date 1995/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902055
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脾摘出術の手術侵襲は決して大きくない.しかし,術後出血,拡張した脾静脈の遺残による脾静脈・門脈血栓症,膵尾部の損傷による膵瘻などの手術手技に直接起因する合併症だけでなく,肺合併症,脾摘後敗血症など様々な合併症が起こりうる.脾摘出術の対象疾患には(1)遊走脾の茎捻転,(2)脾破裂(特発性,外傷性),(3)門脈圧亢進症,(4)血液疾患(遺伝性球状赤血球症〈HS〉,自己免疫性溶血性貧血〈AIHA〉,特発性血小板減少性紫斑病〈ITP〉,再生不良性貧血など),(5)腫瘍性疾患(悪性リンパ腫,慢性白血病,転移性腫瘍など),(6)脾動静脈瘤,などがある.対象疾患の病態や脾摘後の血液,免疫学的状態を理解し,合併症の早期発見,治療に努めることが重要である.
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