特集 術後1週間の患者管理
Ⅰ.術式別:術後1週間の患者管理
6.大腸・肛門手術
虫垂切除術
浅原 利正
1
,
岡島 正純
1
,
八幡 浩
1
,
土肥 雪彦
1
1広島大学医学部第2外科
pp.138-142
発行日 1995年10月30日
Published Date 1995/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902035
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
虫垂切除術後の合併症としては,術後出血,感染(腹腔内膿瘍,腹壁膿瘍など),イレウス,排尿障害,頭痛などが主なものである.術後出血は術当日,第1病日にみられるため,この間は出血を念頭において管理する.比較的頻度の高い腹腔内膿瘍,腹壁膿瘍は,術後遷延する発熱,CRP陽性,白血球増多などの血液生化学的所見に加え,腹部超音波検査,局所の発赤,腫脹に注意していれば診断は容易である.診断が確定したら早めに開創,ドレナージなどの処置をする.術後の麻痺性イレウスは,輸液など保存的治療にて改善することが多い.排尿障害に対しては術後早期からの離床を心掛ける.腰椎麻酔の結果生じる頭痛に対しては,臥床と輸液療法がよい.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.