増刊号 周術期管理マニュアル—保存版
Ⅲ術式別の術前・術中・術後管理
小腸・大腸
虫垂切除術
吉田 剛
1
Tsuyoshi YOSHIDA
1
1新渡戸記念中野総合病院外科
pp.129-132
発行日 2025年10月22日
Published Date 2025/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698570800110129
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術前管理
●診断
●身体所見・血液検査所見
急性虫垂炎の典型的な症状は漠然とした臍周囲の痛みや心窩部痛に始まり,食欲低下や嘔気,嘔吐が続く.その後,痛みは右下腹部に限局し,圧痛を伴うようになる.
身体所見では,右下腹部に限局した圧痛や反跳痛,筋性防御などの腹膜刺激徴候が診断に有用である.ただ,右下腹部痛は感度81%,特異度27%と診断の決め手に欠ける側面もある1).虫垂が後腹膜に走行している場合では右下腹部に圧痛がみられないこともあり,妊婦の場合では虫垂の位置や圧痛点が右上方に移動する.

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