特集 術後1週間の患者管理
Ⅰ.術式別:術後1週間の患者管理
6.大腸・肛門手術
小腸大量切除術
沢田 寿仁
1
,
早川 健
1
,
土肥 健彦
1
,
木ノ下 義宏
1
,
堤 謙二
1
,
梶山 美明
1
,
宇田川 晴司
1
,
鶴丸 昌彦
1
1虎の門病院消化器外科
pp.113-117
発行日 1995年10月30日
Published Date 1995/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902030
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
成人における小腸大量切除の対象疾患は,上腸間膜動静脈血栓症,絞扼性イレウス,外傷性腸挫傷,Crohn病,腸管癒着など1)であるが,術後1週間の患者管理という観点からみた場合,上腸間膜動静脈血栓症,あるいは絞扼性イレウスを想定して話を進める.前述の疾患では術前よりsepsisの状態にあることが多いので,術後管理の要点は感染・呼吸・循環の管理,そして血栓症の場合の再血栓予防である.循環管理を厳重に行い,心拍出量と末梢循環の改善をはかり,腎機能の庇護のもとに呼吸管理に注意を払い,MOFへの移行を防ぐことが重要である.腸管壊死,縫合不全,腹膜炎に対しては,その兆候を認めれば迅速に再開腹を含めた最適の処置をとる必要がある.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.