特集 術前ワークアップマニュアル—入院から手術当日までの患者管理
Ⅰ.術式別:術前患者管理の実際
6.大腸・肛門手術
直腸切断術
沢田 寿仁
1
,
早川 健
1
,
土肥 健彦
1
,
木ノ下 義宏
1
,
堤 謙二
1
,
梶山 美明
1
,
宇田川 晴司
1
,
鶴丸 昌彦
1
1虎の門病院消化器外科
pp.121-125
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902460
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直腸切断術は人工肛門造設を伴う点で慎重かつ周到なインフォームドコンセントを必要とするが,性機能,排尿機能障害についても術式に応じた説明が必要である.直腸切断術の術前検査としては直腸指診が簡便であるが,きわめて重要な所見を得ることができる.これが直腸切断術の適応をほとんど決定するといっても過言ではないが,もちろん最終的には注腸造影検査,大腸内視鏡検査,直腸EUS,骨盤内CT,骨盤内MRI検査を行い,総合的にその適応を決定する.直腸切断術術前のリスク因子としては,糖尿病,心疾患,肝硬変,腎疾患,呼吸器疾患などの合併があるが,昨今では単独ではなく複数因子を合わせ持つ症例が増加しており,よりいっそうの注意が必要である.
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