特集 術後1週間の患者管理
Ⅰ.術式別:術後1週間の患者管理
5.胃・十二指腸手術
胃全摘術
大谷 吉秀
1
,
星屋 泰則
1
,
桜井 嘉彦
1
,
吉田 昌
1
,
久保田 哲朗
1
,
熊井 浩一郎
1
,
北島 政樹
1
1慶應義塾大学医学部外科
pp.92-97
発行日 1995年10月30日
Published Date 1995/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902026
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胃全摘術は胃癌による胃切除症例の約1/5を占める.進行癌症例では膵臓や脾臓,横隔膜など重要臓器の合併切除,広範なリンパ節郭清が併せて行われるので,周術期には輸液管理をはじめ厳重な全身管理が要求される.特に術後1週間以内に認められる合併症のなかには入院期間の長期化につながる重大なものも含まれており,早期の診断と治療が肝要である.自動吻合器の使用により,手縫い吻合が主流であった頃のような食道空腸吻合部の縫合不全のリスクは低下した,しかし,最近では高齢者などのリスクの高い症例が増加しており,周術期の管理はその特殊性を配慮した輸液や呼吸管理,せん妄の予防など慎重な対応が求められる.
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