臨床外科交見室
公立病院管理者サイドからみた医師のあり方
小代 正隆
1
1鹿児島県立大島病院外科
pp.1320
発行日 1995年10月20日
Published Date 1995/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901996
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近年,国公立病院の存在意義から統廃合を含む将来のあり方が問題となっている.その背景には,経営面の問題が主な要因となっている.国公立病院の目的として,(1)政策的医療を地域分担する,(2)救急医療の後方病院として救急医療を行う,(3)無医・無床地域で,市町村や私立の医療機関では財政的に困難な僻地医療を行う,(4)伝染病,結核,重症精神病などの社会的防衛医療を行う(予防保健やリハビリテーションなど),(5)不採算な高度医療,地域医療研修センターや医師生涯教育研修の場として特殊・先駆的医療を行う,などを挙げることができる.
しかし,わが国の医業は自由開業制が基本のため,公立病院は公営企業として独立採算制を旨とする.だが,実情は国庫や地方自治体の財政からの繰り入れ金で補填されている.にもかかわらず,自治体病院の7割強が赤字経営で,年々繰り入れ金が膨大となり財政を圧迫しており,病院の経営改善が急務となっている.この問題には多くの要因があるが,1つには,医師側にも問題がある.病院管理者として,勤務医に対して望むべき姿を思いつくままに記してみたい.
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