病院管理フォーラム
[病院図書室]病院管理者からみた病院図書室
白方 誠彌
1,2
1淀川キリスト教病院
2現:日本バプテスト病院
pp.686-687
発行日 1996年7月1日
Published Date 1996/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901865
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はじめに
最近の医療の流れは,大きく二つの点で考えねばならなくなったと思う.第1はコンピュータを含めた急速な技術革新が次々と医療の分野に導入され,それが直ちに診断・治療の機器の開発に応用されていることである.このことは,医学の具体的応用の現場での目をみはる進歩であると言えよう.これに医療従事者がいかに対応しうるか,その理解と完全な使用能力が問われている.
第2は,医療制度の大きな変革である.高度経済成長を遂げた日本において,一般国民は,健康と豊かな生活を誰しもが希求しているのが現状である.この場合,当然ながら医療と福祉との充実が必要となってくるが,これを公的な保障として行うとすれば,効率よい制度のもとでの対応が必要となる.厚生省は,このことに対して第1次医療法改正(1985年),次いで第2次医療法改正(1992年)と制度改革に取り組みつつある.今後の日本の医療は,診療機能別にまとめるという方向で進みつつあり,病院機能の分化,在宅医療の方向を明確に打ち出している.
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