特集 施設別/新・悪性腫瘍治療のプロトコール
Ⅰ.食道癌治療のプロトコール
(3)高知医科大学第2外科
土岐 泰一
1
,
小越 章平
1
,
岩佐 正人
1
,
大森 義信
1
,
岩佐 幹恵
1
,
高橋 晃
1
Taiichi TOKI
1
1高知医科大学第2外科
pp.20-25
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901666
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近年,診断技術の向上に伴い早期食道癌症例の増加は認めるものの,臨床の場においては進行癌に遭遇することが多く,このうち他臓器浸潤を認める根治切除不能例の占める割合も少なくない.現在,食道癌の治療は外科療法が主体となっているが,食道の広範囲で豊富なリンパ節は3領域郭清でもen blocに取り出すことは不可能であり,外科療法のみでは特に進行癌に関しては治療成績の向上をみていないのが現状である.当科においては,食道癌と同じ組織型をもつ子宮頸部癌に対して良好な治療成績を上げている高線量率腔内照射(remote after loadingsystem;RALS)に着目し,手術と併用して治療を開始し1)4年が経過した.重篤な合併症もなく良好な経過を得つつあり,当科における標準的な治療方法として定着したので,本稿において紹介したい.
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