特集 術後1週間の患者管理
Ⅴ.術後管理に必要な基礎的知識
術後輸液の基本
岩佐 幹恵
1
,
岩佐 正人
1
,
大森 義信
1
,
小越 章平
1
1高知医科大学第2外科
pp.411-413
発行日 1995年10月30日
Published Date 1995/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902114
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周術期における輸液は水分・電解質管理が基本であり,一般の輸液管理と大きな違いはなく,臨床症状と検査データから水分・電解質の異常の補正を行うことを目的としている.術前に経口摂取に制限がある場合は,水分補給とともに栄養補給も普通同時に行う.術中の輸液は麻酔や手術操作による循環動態の変動を主にコントロールし,出血などによる体液・電解質喪失分を補充することを目的としており,専ら麻酔科医の管理下に行われる.術後は,創部やドレーンからの滲出液・排液,術中からの出血などによる細胞外液の喪失を補正するために行い,また経口的栄養摂取ができない場合は,同時に栄養補給のために糖質・アミノ酸・脂肪も投与する.
ここでは,特に消化器手術後の輸液の基本について述べる.
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