綜説—今月の臨床
甲状腺癌の切除,リンパ節郭清の範囲と予後—R1再検討の必要性について
小林 信や
1
,
菅谷 昭
1
,
飯田 太
1
Shinya KOBAYASHI
1
1信州大学医学部第2外科
pp.863-868
発行日 1994年7月20日
Published Date 1994/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901584
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Ⅰ.はじめに
甲状腺癌のなかでも大多数を占める分化癌は,予後のよい癌の1つである.しかし,時には進行癌となり,周囲臓器への浸潤や遠隔転移で患者の生命を脅かし,癌死の原因ともなる.甲状腺癌の外科治療にとって,いかに癌の進行を食い止め,再発を少なくし,一方,微小癌などに不必要な過剰手術を避けるかが重要である.
ここでは,分化癌を中心に,癌の存在部位・大きさ,組織型および患者の年齢・性を考慮した術式,進行癌と非進行癌の比較,再発癌症例からの術式の反省,リンパ節郭清分類(R)に対する再検討,縦隔郭清,微小癌について述べる.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.