Japanese
English
特集 内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)
Vp3肝細胞癌症例の静脈瘤に対する内視鏡的静脈瘤結紮術
Endoscopic variceal ligation for esophago-cardia varices with Vp3 due to hepatocellular carcinoma
國分 茂博
1
,
村上 匡人
1
,
山崎 いずみ
1
,
高尾 正彦
1
,
石垣 徳江
1
,
松田 摩也
1
,
久保田 敏彦
1
,
高田 雅博
1
,
佐藤 正樹
1
,
松本 偉男
1
,
杉本 政直
1
,
渋谷 明隆
1
,
柴田 久雄
1
,
西元寺 克禮
1
,
加藤 康行
2
,
比企 能樹
2
1北里大学東病院消化器内科
2北里大学東病院外科
キーワード:
内視鏡的静脈瘤結紮術
,
肝細胞癌
,
Vp3
,
A-P shunt
Keyword:
内視鏡的静脈瘤結紮術
,
肝細胞癌
,
Vp3
,
A-P shunt
pp.457-463
発行日 1994年4月20日
Published Date 1994/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901523
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Vp3肝細胞癌を伴う食道・胃静脈瘤12例を経験し,内視鏡的静脈瘤結紮術(以下,EVL)について検討した.結紮部位は食道8例,食道・胃4例,“O”リング数は平均で食道6.8個,胃静脈瘤(F2以下)6.5個であった.治療後,静脈瘤形態は全例改善し,当初の目的である出血死の回避は可能であったが,R-C signの完全消失は硬化療法を併用した2例にとどまった.予防・待機例(5例)は,緊急例(7例)に比し生存日数は有意に長かった.Vp3における血行動態の特徴は,腫瘍塞栓の静脈瘤供血路への浸潤とA-P shunt新生による門脈圧亢進の増幅にあると考えられた.侵襲性の低いEVLにおいても,Vp3では治療前後のalbumin補給を怠らず,黄疸の急上昇前の予防的治療が好ましい.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.