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特集 乳癌診療—今日の話題
乳癌に対する自家造血幹細胞移植を併用した大量化学療法の現況
Dose intensive therapy with autologous stern cell transplantation in breast cancer
徳田 裕
1
,
久下 壮一
1
,
柳田 優子
1
,
則久 洋子
1
,
奥村 輝
1
,
太田 正敏
1
,
久保田 光博
1
,
田島 知郎
1
,
三富 利夫
1
1東海大学医学部外科
キーワード:
乳癌
,
大量化学療法
,
自家造血幹細胞移植
Keyword:
乳癌
,
大量化学療法
,
自家造血幹細胞移植
pp.83-88
発行日 1994年1月20日
Published Date 1994/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901463
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最近,乳癌に対する化学療法において,dose-intensityを高めることの有用性がpro-spectiveに示され,大量の化学療法による治療効果の向上が期待される.そこで,多くの薬剤のmaximum-tolerated doseが,骨髄毒性により規定されているため,自家骨髄移植(ABMT)が導入され,単一薬剤ではstandard doseの2〜20倍まで投与することが可能となった.前治療無効の再発乳癌に対するABMTを併用した大量化学療法の治療成績は,標準的治療に比べて明らかに高いCR rateを示しているが,長期間CRを維持する症例は少ない.そこで,無治療例あるいはsensitive relapse症例を対象にして30%程度のcontinuous compiete remissionが得られるようになった.
さらに,腋窩リンパ節転移が10個以上の症例を対象に術後補助化学療法として本法を導入し,高い無病生存率を得ており,現在,臨床第Ⅲ相試験がすすめられている.最近では,末梢血幹細胞移植(PBSCT)が利用されるようになり,好中球および血小板の回復が促進され,本法をさらに安全に行うことが可能となった。しかも,骨髄に比して腫瘍細胞の混入が少ないPBSCは,乳癌に対する本療法において使用する自家造血幹細胞として注目すべきものと考えられる.
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