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特集 スキルス胃癌の診断と治療
スキルス胃癌に対する腹部大動脈周囲リンパ節郭清の意義について
Clinical significance of paraaortic lymph nodes dissection for scirrhous carcinoma of stomach
山田 眞一
1
,
岡島 邦雄
1
,
磯崎 博司
1
Shinichi YAMADA
1
1大阪医科大学一般・消化器外科
キーワード:
スキルス胃癌
,
腹部大動脈周囲リンパ節郭清
,
胃癌の漿膜面浸潤面積
Keyword:
スキルス胃癌
,
腹部大動脈周囲リンパ節郭清
,
胃癌の漿膜面浸潤面積
pp.1551-1556
発行日 1993年12月20日
Published Date 1993/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901438
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臨床的慣用語としてのスキルス胃癌は,広義のスキルス胃癌とし,第12版『胃癌取扱い規約』の胃癌形態の肉眼分類中の4型と同義語として,スキルス胃癌の腹部大動脈周囲リンパ節郭清につき検討した.スキルス胃癌の特徴の1つに,腹膜播種性転移率の高さが挙げられるが,同時に腹部大動脈周囲リンパ節への転移率も高率である.現在,腹部大動脈周囲リンパ節郭清の適応を「根治切除A,B群で手術的第2群リンパ節転移陽性例またはNo.2リンパ節転移陽性例」としているが,今回の検討結果から,スキルス胃癌の場合,適応限界として漿膜面浸潤面積の広さを考慮に入れる必要性を認めた.すなわち,漿膜面浸潤面積が25cm2未満群や25cm2から100cm2未満群では,D3郭清群よりD4郭清群の遠隔成績が良好であったのに対し,漿膜面浸潤面積が100cm2以上群では逆にD4郭清群はD3郭清群より不良となり,D4郭清の効果は認められなかった.
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