Japanese
English
特集 スキルス胃癌の診断と治療
スキルス胃癌におけるリンパ節転移の実態
Lymph node metastasis in scirrhous carcinoma of the stomach
鈴木 力
1
,
田中 乙雄
1
,
藍沢 喜久雄
1
,
西巻 正
1
,
田中 陽一
1
,
田中 申介
1
,
藪崎 裕
1
,
田中 典生
1
,
畠山 勝義
1
,
武藤 輝一
1
,
曽我 淳
1
Tsutomu SUZUKI
1
1新潟大学医学部第1外科
キーワード:
スキルス胃癌
,
Borrmann 4型胃癌
,
リンパ節転移
Keyword:
スキルス胃癌
,
Borrmann 4型胃癌
,
リンパ節転移
pp.1529-1535
発行日 1993年12月20日
Published Date 1993/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901435
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スキルス胃癌におけるリンパ節転移の実態を,教室のBorrmann 4型胃癌症例を対象に検討した.開腹例におけるリンパ節転移の肉眼判定では,99.3%の症例がN(+)であり,特にN3,N4症例がそれぞれ18.3%,26.4%の高率であった.相対非治癒切除以上の切除例における組織学的転移率は89.2%と高率で,転移部位も1群リンパ節から大動脈周囲リンパ節まで広範囲に及び,平均転移個数も15.7個と多数であった.転移の程度はn2症例49.5%のほか,n3,n4の高度転移例をそれぞれ10.8%,6.3%と多数認めた.絶対非治癒切除例では,n3,n4の高度転移例がさらに高率であった.以上の結果は,低分化の癌が胃壁内をびまん性,浸潤性に発育し,同時に高度のリンパ行性進展をきたすという,スキルス胃癌の進展様式の特質をよく反映するものであった.
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