Japanese
English
特集 スキルス胃癌の診断と治療
びまん浸潤性(スキルス)胃癌の病理学的特徴—特にその初期像について
Pathological study of diffuse infiltrative carcinoma in early stage of stomach
下田 忠和
1
,
池上 雅博
1
,
佐藤 慶一
1
,
新井 弥生
1,2
,
藤崎 順子
2
Tadakazu SHIMODA
1
1東京慈恵会医科大学病理学教室
2東京慈恵会医科大学内視鏡科
キーワード:
びまん浸潤性胃癌
,
linitis plastica型胃癌
,
スキルス胃癌
,
Borrmann 4型胃癌
Keyword:
びまん浸潤性胃癌
,
linitis plastica型胃癌
,
スキルス胃癌
,
Borrmann 4型胃癌
pp.1513-1521
発行日 1993年12月20日
Published Date 1993/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901433
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早期胃癌の発見頻度は向上しているが,手術される進行胃癌のなかに占めるびまん浸潤癌の頻度は減少していない.また,びまん浸潤癌は胃体部型と幽門型に分けられ,前者には巨大皺襞型と粘膜萎縮型がある.巨大皺襞型はLP癌に相当するもので,10〜20 mm以下のul(—)粘膜内癌が原発巣となり,後者はより大きい粘膜内癌が原発となる可能性がある.また,後者では,粘膜の萎縮あるいは腸上皮化生が高度で,巨大皺襞型とは異なった発生環境を有していると考えられる.幽門型は胃体部,粘膜萎縮型と類似性がある.しかし,この場合でも粘膜内癌が小さく,かつ萎縮境界線近傍に発生するものがある.幽門部の狭窄を来すと同時に,胃体部方向に進展する.
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