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特集 骨盤内悪性腫瘍の機能温存手術
〈外科・1〉下部直腸癌に対する機能温存術—排便・排尿・性機能
Function-preserving operation for lower rectal cancer
森谷 宜皓
1
,
赤須 孝之
1
,
杉原 健一
1
,
北條 慶一
1
Yoshihiro MORIYA
1
1国立がんセンター中央病院外科
キーワード:
下部直腸癌
,
自律神経温存
,
排尿・性機能
,
骨盤外科
Keyword:
下部直腸癌
,
自律神経温存
,
排尿・性機能
,
骨盤外科
pp.1381-1388
発行日 1993年11月20日
Published Date 1993/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901411
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直腸癌に対する機能温存術は括約筋温存術と自律神経温存術とから成る.適応,機能的予後,遠隔成績を検討した.骨盤神経完全温存では片側温存でも満足すべき排尿機能が得られるが,部分温存では残尿などの障害が23%に認められた.しかし,拡大郭清に比較すれば障害は軽い.上下腹神経叢周囲を郭清すると射精障害が出現する.勃起機能の保全には骨盤神経の十分な温存が必要であった.骨盤神経部分温存では満足な性機能の確保が難しく,この神経温存法は排尿機能の温存に有効な術式と考えられた.神経温存群の5生率はDukes B:74%,Duke C:62%で,許容できる成績である.骨盤内悪性腫瘍に対する骨盤外科の意義についても言及した.
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