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特集 直腸癌に対する手術のコツ
直腸癌に対する神経温存側方郭清術のコツ
The technical point for the lateral lymph node dissection with pelvic autonomic nerve preservation
森 武生
1
,
高橋 慶一
1
,
山口 達郎
1
,
松本 寛
1
,
宮本 英典
1
Takeo MORI
1
1東京都立駒込病院外科
キーワード:
側方郭清
,
自律神経温存
,
下部直腸
Keyword:
側方郭清
,
自律神経温存
,
下部直腸
pp.1545-1549
発行日 2004年12月20日
Published Date 2004/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101102
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はじめに
低位(Rb)直腸癌においては筋層以上の浸潤を示す進行癌の13%内外,直腸固有筋膜内にリンパ節転移のあるDukes C癌では20%以上に側方転移があることは,日本においては大腸癌研究会の登録データを示すこともなく自明の理として理解されている.しかし,欧米では依然としてイギリスやアメリカを中心にこのことに理解を示す施設は少なく,かつ郭清効果はないものと依然として決めつけている向きも多い.このことは日本側にも責任があり,日本の国内において側方郭清の効果が大腸癌研究会のプロジェクト研究で明らかになったにもかかわらず,国際学会では弱腰にどうしてもRCTの必要性があるなどと述べる人もいることに問題がある.国内で明らかなデータが出ていて,なおRCTを行うとしたらこれは倫理的にいかがなものか見解を問いたいものである.このことと別に,側方にある頻度で転移があるのならば,術後のQOLを守るために側方郭清と自律神経温存の両立をはかるのは外科医である以上当然の帰結である.術前放射線化学療法が未だにどの大きさのどの部位のリンパ節転移に対して有効であるか否かが定かでない以上,まず手術的に神経温存側方郭清に習熟することが骨盤外科医としては必須である.本稿ではこの術式について詳述し,長期の結果についても述べたい.
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