綜説—今月の臨床
癌患者の代謝と栄養—アミノ酸インバランス療法から在宅静脈栄養法まで
山中 英治
1
,
日置 紘士郎
1
,
元廣 高之
1
,
森 毅
1
,
二階堂 泰資
1
,
浅井 晃
1
1関西医科大学第2外科
pp.1313-1318
発行日 1993年10月20日
Published Date 1993/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901270
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Ⅰ.はじめに
高カロリー輸液法(TPN)の導入と確立や,復れた経腸栄養剤の普及などによる強制栄養法の進歩によって,栄養摂取低下による栄養不良のために手術不能な症例はまれになった.また食道癌術後や胃全摘術後症例などにおいて,経口摂取量が低下した時期にも十分な栄養補助が可能となり,ひいては化学療法や放射線療法などの補助療法も強制栄養法施行下に遂行しやすくなった.
しかし,進行末期癌のいわゆる悪液質状態に陥った症例では,強制栄養法によっても栄養状態の改善が認められないことが多い.担癌患者の代謝異常に関しては,サイトカインなどの研究が進み次第に解明されつつあるが,いまだ不明な点が多い.
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