Japanese
English
特集 疼痛をどうコントロールするか
痛みの発生と生理学的,生化学的な機構
Physiological and biochemical mechanisms of pain
横田 敏勝
1
1滋賀医科大学第1生理学
キーワード:
グルタミン酸
,
NMIDA受容体
,
白血球付着分子
,
プタズマキニン
,
プロスタグランジン
Keyword:
グルタミン酸
,
NMIDA受容体
,
白血球付着分子
,
プタズマキニン
,
プロスタグランジン
pp.979-986
発行日 1993年8月20日
Published Date 1993/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901216
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傷害に対する組織反応は3相に分けられる.第1相では、傷害の直接作用による痛みに続いて,炎症を媒介する活性物質が痛みを増強させる.第2相では,白血球の反応が痛みをもたらす.第3相では,傷害された末梢神経線維の再生に伴う痛みが現われる.痛みを伝える求心性線維はAδおよびC侵害受容線維である.Aδ侵害受容線維の伝達物質はグルタミン酸,C侵害受容線維の伝達物質はグルタミン酸と神経ペプチドである.C侵害受容線維が高頻度で興奮すると,NMDA受容体の反応が加わって,脊髄後角2次ニューロンの反応性が高まる.この状態が持続するとニューロン細胞体のCa2+濃度が高まり,前初期遺伝子の発現が誘導されて,蛋白質の合成が始まる.
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