増刊号 内科エマージェンシーと救急手技
疾患からみた内科エマージェンシー
腎疾患・電解質異常
血清カルシウム・リン異常症
和田 健彦
1,2
,
深川 雅史
1,3
1東京大学医学部腎内分泌内科(第1内科)
2東海大学総合医学研究所分子医学医療研究センター分子病態学部門
3東京逓信病院循環器科
pp.352-356
発行日 1998年10月30日
Published Date 1998/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907165
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ポイント
●著明な高Ca血症で臨床症状を伴う場合は,エマージェンシー・ケースとしてまず生理食塩水負荷・利尿薬投与を行う.
●臨床症状を伴う低Ca血症に対しては,グルコン酸カルシウム経静脈投与を行う.
●腎機能正常者における高P血症には生理食塩水負荷・アセタゾラミド投与で対処する.
●高度の低P血症では神経症状・筋症状を合併することがあるが,このような場合にはP製剤の経静脈投与を注意深く行う.ただし,細胞内へのシフトによるものの場合はPの欠乏がない限り必要ない.
●初期治療と同時に,Ca・P異常症においてはCa,PのほかにMg,PTH,ビタミンDなどほかのパラメータから総合的に鑑別を進める必要がある.
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