増刊号 尿検査法
I.総論
2.尿からみた水・電解質と酸・塩基平衡
(3)カルシウムとリン代謝調節
小椋 陽介
1
1虎の門病院腎センター・内科
pp.18-20
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901052
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カルシウム
成人の体内総カルシウム(Ca)量は,1,000〜1,200g,その99%は骨にあり,血液中には0.1%,約1g弱がある.血漿Ca濃度は8.5〜10.2mg/dlに維持され,腸管,骨,腎におけるCaの出入りと副甲状腺ホルモン(PTH),1.25(OH)2D3,カルシトニン(CT)の働きによって調節されている.血漿Caは,約46%がアルブミンと結合し,遊離Caイオンは48%,6%が他の陰イオンと複合体をつくっている.血漿Caの測定はこれらの分画を含むため血清アルブミン値によって実測値が影響をうける.そこで種々の補正式が提唱されているがPaneの式が簡便であり,広く用いられている.
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