特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅵ.注意すべき状態の患者への薬物療法
4.アシドーシス,アルカローシス
浜野 恭一
1
,
石川 雅健
1
1東京女子医科大学救命救急センター
pp.246-247
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901012
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生体において酵素反応をはじめとした様々な機能が効率よく働くためには,血液のpHは一定の範囲内に調節されていなければならない.血液pHはHenderson-Hasselbalchの式より導かれる.
細胞での炭水化物や脂肪の代謝により約1,500mEq/日のCO2が産生され,一方,蛋白や燐脂質の最終代謝産物として約70mEq/日の不揮発性酸(硫酸,リン酸,尿酸など)が生成される.生成された酸は緩衝作用を受けると肺と腎により排泄される.揮発性酸である炭酸は肺で排泄されるが,不揮発酸の排出はまず陽イオン(主にNa)に緩衝され腎で行われる.
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