今月の主題 腹部疾患をエコーで診る
臓器・疾患別アプローチ―ワンポイントレクチャー
〈肝(びまん性)〉
急性肝炎,慢性肝炎
渡辺 学
1
,
住野 泰清
1
1東邦大学医学部消化器内科
pp.202
発行日 2004年2月10日
Published Date 2004/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100917
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肝炎は急性と慢性に大別され,その原因はウイルス性をはじめとして薬剤性,自己免疫性など多岐にわたる.診断には臨床所見や血液検査所見が重要であり,時に肝生検組織所見が必要とされるが,超音波検査の出る幕はない.ただし,診療に際して補助的に寄与しうる超音波所見もいくつかあるので,本稿ではそれらについて述べる.
急性肝炎
肝は腫大し辺縁は鈍化する.脾腫や腹水をみることもある.著明な脾腫が認められた場合にはEBウイルス性の可能性が高い.実質像に特徴的所見はないが,胆汁うっ滞性はbright patternを呈する場合が多い.また,いずれの原因によるものでも,回復期にはbright patternや肝腎コントラストを認めることが多いとされている.問題は劇症肝炎であるが,今のところ劇症化を示唆する所見は得られていない.
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