日本人の病気
慢性肝炎
上野 幸久
1
1三宿病院
pp.1502-1504
発行日 1971年9月10日
Published Date 1971/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203837
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実態究明にはデータ不足の慢性肝炎
急性肝炎は発病のしかた,黄疸の出現などにより臨床診断はあまりむずかしくない.黄疸を呈しない軽症不全型が実際には多いのであるが,発黄例だけに限定しても,ある程度まで患者の発生状況をうかがうことができる.現在多くの文明国でやっているビールス性肝炎の届出制にしても,黄疸例だけを対象としているようであるが,それでもかなりの統計的・疫学的意義をもっている.
また急性肝炎は重症化し,いわゆる急性ないし亜急性肝萎縮として死亡するので,死亡届あるいは剖検輯報から統計的考察を行なうことも可能である.
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