特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅳ.術後愁訴・合併症に対する薬物療法
11.術後麻痺性イレウス
小西 文雄
1
,
斎藤 幸夫
1
,
金澤 曉太郎
1
1自治医科大学消化器一般外科
pp.142-143
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900972
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開腹手術後には,一時的に消化管の蠕動運動が消失し,腸管内に腸液やガスがうっ滞する.その結果,腹部は軽度に膨隆して排ガスや排便が停止する.この状態は生理的イレウスと呼ばれ,開腹手術後には,必ず認められる.この開腹手術後のイレウスは,2〜4日で自然に軽快することが多いが,時に腸管麻痺の状態が遷延して麻痺性イレウスに陥ることがある.このような場合には,麻痺性イレウスを来している原因を検索し,腹膜炎によるものでなければ,腸管の減圧を行うとともに,薬物治療を施行することを考慮する.
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